猫も、高齢になるほど動物病院を受診する機会が増えるのが一般的です。病気のリスクが高い高齢の猫は、1年に数回の健康診断が必要と言われています。
定期的なワクチン接種もしなければならないため、高齢猫は動物病院に行く回数がかなり多くなります。飼い主としては、愛猫の通院ストレスをできるだけ少なくしてあげたいところですよね。
今回は、高齢猫の通院ストレスを最小限にするための工夫を紹介します。
体を触られることに慣れさせておく
普段から体を触れられることに慣れさせておくと、動物病院での健康診断でもストレスが少なくなる可能性があります。
通常、健康診断では、獣医師が猫の体を触って異常がないかを調べる触診が行われます。腹部や足、首の周りなどをくまなく触れることで、腫瘍やキズなどがないかどうかをチェックするのがこのような触診の目的です。
また、診断の際には口内炎などができていないかを調べるために口のなかもチェックされることが多いです。
人に触られることに慣れている猫は大体においてこのような検査をおとなしく受けられますが、体を触られるのに慣れていない猫は暴れたり逃げたりしてスムーズに診察ができないケースがあります。
無理に押さえつけて診察を受けさせようとすると、猫が感じるストレスが大きくなるため要注意。
トラウマになってしまった場合は以後の健康診断や診察の際に、猫、飼い主ともども大きなストレスを抱えることにもなりかねません。
スキンシップも兼ねて日頃から愛猫の体に触れておくことは、通院ストレスを減らす工夫の1つになるでしょう。
検査で使用する尿や便は事前に採取しておくのがベスト
健康診断をするときに必要な尿や便を飼い主自身が採取しておくと、動物病院で猫が感じるストレスがグンと少なくなります。
尿や便は、猫の健康状態をチェックするうえでのバロメーターです。健康診断の前には尿や便を持ってくるように言われることが多いため、忘れずに用意をしておきましょう。
動物病院で採取しなければならないと、猫が大きなストレスを感じる可能性があります。
病院にいる時間を少なくするためにも、事前に採取できるものはできるだけ準備をしておきたいところです。
お気に入りのおもちゃを持っていく
キャリーバッグやケージのなかに、お気に入りのおもちゃを入れておくのも猫のストレスを減らす工夫になるでしょう。
キャリーバッグやケージに慣れていない猫の場合、いつもと違う環境に不安感を抱くことがあります。このようなときでも自分のニオイがするおもちゃなどがあれば、ストレスがいくぶん減るかもしれません。
キャリーバッグやケージの中に、猫が毎日過ごしているのと似た環境を作ってあげることがストレスを減らすポイントです。
キャリーバッグやケージを遊び場として活用したり、病院以外のお出かけにも使ったりすれば、健康診断や病気で受診する際にも抵抗が少なくなる可能性があります。
おもちゃは、待ち時間が長くなったときに猫の気持ちを和らげるのにも役立ちます。
入院の際にはいつも猫が食べているフードを持参する
検査の内容や猫の体調によっては入院が必要になることがありますよね。入院中に食事をするときには、日頃から愛猫が食べているフードを持参するのもストレスを減らす方法です。
入院中の食事は、検査の内容や病状で変わります。絶食が必要だったり食事内容が制限されたりすることもあるため、フードを持参するときはあらかじめ獣医師に確認しておく必要があるでしょう。
動物病院によっては入院中の食事をサービスで提供してくれます。ただ、こういった場合もキャットフードの種類などは選べないことが多いです。
病院に預けられた猫がフードをまったく口にしない場合、健康状態にも悪影響を及ぼしかねません。精神的なストレスも大きくなるでしょう。
入院中の食事内容を飼い主が考えてあげることは、愛猫のストレスを減らすうえでの大切なポイントです。
待ち時間を減らす工夫をする
動物病院での待ち時間を減らすことは、飼い主だけでなく猫のストレスを減らすのにも役立ちます。
敏感な猫の場合、病院特有のにおいに反応するケースがあります。においに敏感な猫は、待合室で待っている間もストレスを感じてしまう可能性が高いです。
また、狭いキャリーバッグやケージのなかで長く過ごすことも猫にとっては大きなストレス。動物病院は予約をしてから行くとスムーズに受診できることが多いです。
健康診断を受けるときにも、事前に予約をしてから受診しましょう。
検査の都合で食事ができないときなどは、ほんの少しの待ち時間でも猫のストレスが大きくなってしまいます。病院に到着後、すぐに検査ができるようにスケジュールを組んでおけば猫のストレスも少なくなるでしょう。
かかりつけの動物病院を見つけておく
信頼できるかかりつけの動物病院を見つけておくことは、猫のストレスを減らすためにもプラスです。
動物病院がたくさんある地域では毎回違う病院で健康診断や診察を受けている人もいるかもしれませんね。このような受診の仕方は、猫にストレスを与えかねないため注意をしましょう。
環境が変わることは、猫にとって大きなストレスです。何回も通院している動物病院であれば、猫も周囲の環境にいくぶん慣れ始めているかもしれません。
診察を担当する獣医師も、できれば毎回同じほうが猫のストレスが減る可能性があります。
「診療に不満がある」や「セカンドオピニオンを希望する」などの場合を除いて、利用する動物病院は可能な限り同じにしたほうが、猫のストレスを減らせるでしょう。
ストレスを減らすスプレーを利用する
通院のたびに緊張してしまう猫には、ストレスを減らす猫用のスプレーを使ってみるのもよい方法になるでしょう。
このようなスプレーには、猫の気持ちを落ち着かせるフェロモンが配合されています。キャリーバッグやケージのなかにスプレーをしておくと、移動中の問題行動などが少なくなるかもしれません。
嗅覚が鋭い猫は鼻からの刺激に敏感です。飼い主がなだめてもなかなか猫が落ち着かないときは、こういったお役立ちアイテムでストレスを減らすのも1案です。
いざというときに備えられるペット保険も視野に
シニア猫が保険?と思われるかもしれませんね。一般的な保険の印象としては、
- 高齢になると保険料が高額になり過ぎて加入するのがもったいない
- そもそも加入できないんじゃない?
- 十分な保障が得られないんじゃない?
実はペット保険ですとそんなこともなく。確かに、通院が補償外であったり補償限度額が低めに設定されていたりはします。
ですが、若い猫とそこまで変わらない保険料(1,500円~2,000円/月)で加入できる保険も多く、年齢制限がない保険もあります。
忘れがちな健康診断も、年一回無料健康チェックがある保険会社も多いです。
そういった情報を簡単に調べられるのが「保険スクエアbang! ペット保険」。
猫種と年齢を入力するだけで保険料の試算ができ、複数の保険会社の補償内容を見比べることができます。気になる会社があれば、一括で資料請求できますし、そのまま申し込むことも可能。
いざというときに手持ちがなく治療を受けさせてあげられなかった…なんてことにならないためにも、検討されてみてはいかがでしょう?