涙

人間と同様に猫も年を重ねると、体のいろいろな器官の働きが衰えてくることが多いです。老化は避けられないといえど、いつまでも健康に快適に過ごしてほしいですよね。

そんな大事なうちの子が、涙を流しているなんてことになれば心配するに決まっています。ここでは、老化によって引き起こされる高齢猫の涙について、お伝えしていきます。

そもそも猫の涙ってどんな意味があるの?

涙

人間の涙は痛いときや悲しいときなど、色んな感情があふれたときに出るものです。しかしながら、猫は感情による涙は流しません。目そのものに何らかの異常がある場合が多いです。

その他に考えられるとすれば、脳や鼻に異常があったときにも涙を流す原因となることがあります。痛みや悲しみで泣いている訳ではないので、冷静かつ速やかに異常を取り除いてあげるようにしてください。

動物病院に行く際は、その症状がいつ頃から出ているのか。涙を流しているのは片目なのか、両目なのか。自分で擦って掻いたりするようなら、それも必ず相談するようにしてください。

掻いてさらに刺激を与えてしまっては治るものも治らないので、エリザベスカラーなどの対処できる道具を貸してもらえるはずです。

適切な治療のためにも、冷静に現在の状況を確認しておきましょう。

涙の原因ってどういうのものが考えられるの?

涙の原因

涙の原因は本当にさまざまです。猫の目の構造はおおよそ人間と同じ構造なので、目の病気に関しては聞いたことのある病名が多いかと思います。

結膜炎、角膜炎、白内障、緑内障、眼瞼炎など…これらは人間と同様に猫も発症します。ごくまれに、自分の逆まつ毛が眼球に刺さっているなんてケースもあったりします。

しかしながら、多くの場合は「流涙症」というもののケースが多いです。

気付いたら目に涙が溜まっていたり、目元が涙で濡れているという場合はまず疑ってみてもいいと思います。

「流涙症」ってどんな症状の病気なの?

流涙症

「流涙症」とは、読んだ字の通り涙が流れるほどにあふれてしまう病気です。何をするでもなくひたすら涙があふれ続けるため、目の周りは常に湿っぽく濡れた状態になってしまいます。

涙が流れ続けることで、目頭から鼻筋にかけて涙が伝う道を描くように被毛が茶色く汚れてしまうこともあります。これを涙やけと言います。

猫の毛色によっては、くっきりと目立つ跡が残る場合も少なくありません。茶色っぽい目やにや涙に気が付いたら、その都度ティッシュやガーゼで優しく拭き取ってあげるのもいいかもしれません。

くれぐれも新たな傷を作らないように、拭いてあげる際は気を付けてくださいね。

具体的な症状としては、涙があふれ目元が涙で濡れている。目やにが増えた。涙やけができている。かゆそうに目元を擦り、掻くようになった。鼻筋の皮膚に赤みや湿疹ができている。これらが代表的な症状と言えます。

一刻も早い治療をしないと失明したり命にかかわるような病気ではありませんが、「流涙症」自体が別の病気によって引き起こされている可能性もゼロではありません。

また、湿っぽい目元というのは雑菌が繁殖しやすいために、「流涙症」が皮膚病を招く原因になることもあります。「流涙症」は重症化すればするほど、完治も難しくなってしまう病気です。

「流涙症」の原因ってなんなの?

流涙症原因

健康な範囲の涙であれば、通常は目から鼻へと続く管を通って排出されています。

鼻炎や副鼻腔炎などが原因でこの管が詰まっている、あるいは、この管の許容量を超えるほどの涙が分泌されている場合は、目から涙があふれてしまう仕組みとなっています。

また、骨格的な要因が関係する場合もあります。鼻の低いペルシャ猫やヒマラヤン、スコティッシュフォールドなどは、骨格的に鼻と涙と繋ぐ管が圧迫されやすい構造になってしまっています。

そのため、他の猫種に比べるとどうしても涙が詰まりやすい傾向があります。高齢猫であれば老化による諸機能の低下で、排出の機能自体が落ちている可能性は考えられます。

目からあふれるほどの涙の原因は、多種多様に考えられます。まつげや毛、異物が目に入っているかもしれません。

排気ガスや煙なども猫にとっては刺激が強く、角膜や結膜にいいものとは言えません。何らかの目の病気が隠れている可能性も、もちろん否定できません。

老化や病気により目元の筋肉が衰え、上手く涙が排出できていないというケースも考えられます。

猫種にかかわらず個体差で鼻涙管が狭い猫もいるため、「流涙症」のコレといった原因を素人目で判断することは非常に難しいと言えます。

複数の要因が重なって、症状が現れていることも大いにあるかもしれません。

「流涙症」の対策って何をすればいいの?

流涙症対策

先天的な症状の場合もあるため、完全な予防や対策方法というのはないに等しいです。今日からでもできる対策なら、排気ガスや煙などの刺激的な成分を目に受けないようにすることです。

他にはちょうど猫の顔の位置あたりに来る鋭く尖ったような形状の家具や障害物があれば、それらで怪我をしてしまう前に撤去しましょう。

もし既に目の病気を患っている場合は、そちらを完治させることが「流涙症」の治療にも繋がります。

「流涙症」そのものに対するワクチンは存在しませんが、結膜炎の原因となる猫の感染症を予防するワクチンであれば存在します。

獣医師の先生とよく相談した上で、そういった選択肢を予防のひとつとして選んでおくこともいいと思います。

「流涙症」になってしまったらどんな治療をするの?

流涙症治療

抗生剤やインターフェロン、点眼薬での治療が主なようです。結膜炎などの目の病気が原因ならそれらに対する治療をおこない、異物が目に入っているようならまずは異物を取り除く処置をします。

必要に応じて眼球を洗浄したり、鼻涙管が詰まっているのならば詰まりを取り除く処置をおこなっていきます。

先天的な場合や骨格が原因となっている「流涙症」は、再発してしまうことも多いようです。もしも日常生活に支障があるようなレベルの重症度であれば、外科的な手術もおこなうこともあるようです。

しかし、基本的には点眼薬などを処方して経過観察をしていくケースが多いので安心してください。

いざというときに備えられるペット保険も視野に

流涙症であれば、一回の通院でおおむね5,000円~10,000円かかることが多いようです。

検査をしているうちに他の病気が見つかり入院、なんてことになると更に大幅な出費に。そんな事態に備えることができるのがペット保険。

シニア猫が保険?と思われるかもしれませんね。一般的な保険の印象としては、

保険のイメージ
  • 高齢になると保険料が高額になり過ぎて加入するのがもったいない
  • そもそも加入できないんじゃない?
  • 十分な保障が得られないんじゃない?

実はペット保険ですとそんなこともなく。確かに、通院が補償外であったり補償限度額が低めに設定されていたりはします。

ですが、若い猫とそこまで変わらない保険料(1,500円~2,000円/月)で加入できる保険も多く、年齢制限がない保険もあります。

そういった情報を簡単に調べられるのが「保険スクエアbang! ペット保険」。

猫種と年齢を入力するだけで保険料の試算ができ、複数の保険会社の補償内容を見比べることができます。気になる会社があれば、一括で資料請求できますし、そのまま申し込むことも可能。

いざというときに手持ちがなく治療を受けさせてあげられなかった…なんてことにならないためにも、検討されてみてはいかがでしょう?