ずっと鳴く

愛猫にはいつまでも健やかでいてほしいと望むのは飼い主なら当たり前の考えですが、高齢になるとどうしても体の機能が衰えてしまうので様々な問題に見舞われてしまいます。

中には人間のように認知症を患うケースもあるので、日頃から健康状態を確認することが大切です。

飼い猫といつまでも一緒に暮らすためにも、健康管理の重要性や異常行動の詳細について学びましょう。

高齢猫は認知症による異常行動が多い

認知症

人間に飼育されるペットの中でも猫は気まぐれなイメージが強い傾向があります。

鳴き声を発しても周囲への警戒や威嚇といった目的ではなく、猫の気分次第で鳴くと見なされるケースは少なくありません

しかし、猫も他の動物と同様に周りを警戒して鳴くことはよくあります。

また、猫どうしのコミュニケーションを図る手段として鳴くこともあるので、決して意味の無い、気まぐれな行為とは言い切れません。

そんな中、高齢の猫は稀にわけも無く延々と鳴き続けることがあります

他に猫がいるわけでもなければ警戒するような状況でもないのに鳴くのをやめない高齢猫は人間の高齢者と同様に、認知症を患っている可能性があります。

猫の認知症は人間と同様に徘徊や過食といった異常行動を取ることが知られていますが、猫特有の症状として日時に関係無く鳴き続ける行動が挙げられます。

猫が鳴くのは警戒であったりコミュニケーションを図る手段であるなど様々ですが、認知症によって自分が置かれている状況が理解できなくなった結果として時と場所を選ばずに鳴き続ける行為に至ってしまうのです。

動物の認知症は研究が進んでいないので詳しいことは不明ですが、高齢猫は幻覚や幻聴に怯えて鳴き続けると考えられています。

そのような場合は飼い主が寄り添うことで症状が緩和されることがありますが、飼い主のことが分からなくなるほど認知症が進んでしまうと逆効果なので注意が必要です。

飼育方法の見直しも急務

飼育方法の見直し

健康面に問題が無いように思える飼い猫でも、急に鳴き続けることがあります。高齢猫に顕著ですが、若い猫でも決して珍しいことではありません。

認知症を患っていない猫でも鳴き続けるのは過剰なストレスが原因とされています。

猫は自由奔放に生きるイメージがあるためペットの中でも放置されやすい傾向がありますが、実際は決してイメージと同じではありません。

猫であっても飼い主に甘えたり構ってほしいと思うのが普通ですが、それを無視して放置してしまうと非常に強いストレスを感じてしまいます。

毎日の飼育の中でストレスが蓄積され、遂に限界を超えてしまって延々と鳴き続ける異常行動に至ってしまうのです。

飼い猫のストレスを溜めないようにするには飼育環境を見直し、猫に対する考え方を改めることが重要です。

猫も寂しさを感じてしまうので、できるだけ構ってやることを心がけます

室内飼育の猫は散歩に出かけるというストレス解消の方法を選択できないので特に注意しなければいけません。

その一方で過剰な接触も飼い猫にストレスをもたらす原因になることから、嫌がるそぶりを見せたら素直に引き下がります

ストレスを与えないためには飼い猫が望むように行動し、飼育環境を整えてやるのが飼い主に求められる姿勢です。

身体機能を損なう病気を患うと鳴き続けることがある

病気

高齢の飼い猫が延々と鳴き続ける理由としては認知症以外の病気も挙げられます。

猫は人間のように言葉を発することができないので、感情を表現する際は特有の鳴き声を発します。

病気による不快感や苦痛についても同様で、人間であれば苦しい、痛いと言葉に発することを猫であれば鳴くことで表現しているのです。

延々と鳴き続けるのは不快感や苦痛が続いていることを示しています。鳴き止んだ場合は一時的に症状が治まったか、あるいは鳴くのに疲れたかのどちらかです。

いずれにしても猫の心身に大きな負担が生じていることは間違いありません。

何らかの疾患が原因の場合、放置すると死亡する危険もあるので早急に獣医師による治療を受けさせる必要があります。

高齢猫は加齢による体力の低下により、若い猫よりも病気を患うリスクが高くなります。また、症状が重篤化しやすいのも高齢猫に多く見られる問題です。

当初はうるさく思えるほどに鳴き続けていたのに鳴かなくなったり、鳴き声が弱々しくなったら症状の進行によって体力が著しく低下しているおそれがあります。

そのような状態に陥ると死亡する可能性が増大するので、定期的に体の具合を検査して不具合に見舞われないように管理するのが飼い主の務めです。

興奮状態が続くのも鳴き続ける原因のひとつ

猫興奮

体の具合が悪くないのに鳴くのをやめないことがありますが、これは異常行動ではなく一時的に興奮しているのが原因です。

猫を興奮させる原因としてマタタビの吸引が知られていますが、高齢猫は体力の低下により、少量のマタタビでも興奮してしまうことがあります

個体差がありますが、高齢猫は若い猫よりも少ない量のマタタビですぐに興奮してしまい、しかも興奮状態が長く続くのが特徴です。

体力の低下でマタタビの成分が分解されるのが遅くなっているのが興奮状態の長期化に繋がっていますが、延々と鳴き続ける行為は体に負担をかけてしまいます。

飼い猫がマタタビを求めても体の具合を考慮して、できるだけ与えないように配慮してやるのも飼い主の優しさです。

猫用のペットフードによっては口当たりを良くする目的でマタタビが配合されている物があります

興奮するほどの量は入っていませんが、体力が低下している高齢猫の場合は少量の摂取でも本物のマタタビを吸ったのと同じ状態に陥る可能性があるので避けるのが無難です。

体が弱っている猫は少し匂いを嗅いだだけでもマタタビ酔いの状態になってしまうので、猫が好むからという理由だけで安易にマタタビを与えないように注意します。

人間が食べるお菓子にも稀にマタタビは含まれている物があるので、飼い猫が欲しがっても与えてはいけません。

高齢猫は消化器官も弱っているので、人間用に味付けされた食品を摂取すると思わぬ健康被害に遭うおそれがあるためです。