最近はさまざまなフードが販売されていますが、すべての商品がすべての猫に合うとは限りません。なかには下痢や軟便になってしまい体調を崩してしまう猫もいます。
特に高齢猫は年齢的にも体力が落ちているため、できるだけ体調には気をつけたいものです。
今回は、このようにフードで体調を崩してしまう高齢猫の原因と対策についてご紹介したいと思います。
フード自体にアレルゲンが入っている
猫も人と同様に食物アレルギーを引き起こすことがあります。フードにもさまざまな種類がありますが、主な材料は肉や魚、鶏肉、穀物などが多いです。
たとえ安全そうな食品でも、猫によっては合わないこともあるため注意が必要です。フードにアレルゲンが入っている場合、食べれば下痢や軟便を起こしてしまうこともあります。
自分の猫は胃腸が弱い猫だと思っていたけれど、実はフード自体が原因だったというケースもあるのです。
特に猫のアレルギーは、炎症性腸疾患やアレルギー性の胃炎など胃腸に症状が出やすいと言われています。胃腸の変調からアレルギー症状が発覚することは珍しくありません。
高齢の猫になると日々の食生活の積み重ねで、アレルギーをより起こしやすくなるため注意しましょう。
アレルギーは酷くなると、下痢だけでなく皮膚炎や発疹、脱毛などを起こし激しく痛みを伴うこともあるため、きちんと観察することが大切です。
猫のアレルゲンを正確に把握するには、病院でアレルギー検査を受け専門医に診てもらうと良いでしょう。アレルゲンを知れば安全な食事管理ができますから、猫にとっても安心です。
穀物がたくさん入ったフードを与えている
フードの種類によっては穀物がたくさん配合されたものもあります。
フードに入っている穀物は猫の負担にならないように加工されていますが、猫は穀物自体が体質に合わないことも多いため、なかには消化不良を起こしてしまう猫もいるのです。
猫はもともと肉食でありタンパク質のエネルギー変換は得意ですが、穀物のエネルギー変換は苦手な動物です。
穀物の多いフードを与えつづければ、それだけ胃腸への負担が多くなり体調を崩しやすくなってしまいます。
たとえ若い頃はうまく消化できていたフードでも、高齢になるにつれて消化機能が落ちますから負担が大きくなってしまうのです。
そのため高齢の猫には、より負担が少ないフードを与える方が安心といえます。また、ただ消化不良を起こすだけでなく、穀物を引き金にアレルギーを引き起こす猫も少なくありません。
特に価格の低いフードは嵩増しのために、穀物を使っていることが多く要注意です。
安いからといって無闇やたらに買うのは猫の健康には良くありません。きちんと、猫にあったフードを選択しましょう。
添加物が多いフードを与えている
さまざまなフードがありますが、人工的な保存料や着色料を使用したものも少なくありません。添加物は長期間保存できたり、味を良くしたりするのには便利ですが、体に悪いものもたくさん含まれています。
しかしながら、添加物の入ったフードは香りや味が良くなるため猫の食欲を増進させます。それに加え中毒性も高く、よりたくさんの量を食べ続けてしまうのです。
なかには人の食品に使用してはいけない成分が入ったフードもあるため、注意しなければなりません。
特に高齢の猫は排泄機能も低下していますし、リスクが高いものです。添加物の多いフードを大量に摂取すれば、下痢を起こしてしまうことも多くなります。
酷くなれば病気に罹患することにもなりかねません。また、添加物がアレルギー症状を引き起こすこともあるため、なるべく無添加のフードを与えた方がよいといえます。
脂質が多いフードを与えている
猫にとって脂質はエネルギー変換しやすく重要な栄養成分です。そのため、脂質がたくさん含まれているフードも多く販売されています。
しかし一方で便を柔らかくすくるという作用もあり、摂りすぎると下痢や軟便になってしまうことも多いのです。
また高齢猫の場合、胃の運動量が低下しているため、きちんと食物を分解する前に、大腸に送られてしまうことがあります。
そのため、脂質が多いフードを摂ると、さらに胃の運動機能の低下を助長させてしまい、下痢や腹痛を起こしてしまうのです。
脂質の摂取量が多ければ多いほど胃腸への負担も大きくなります。猫の下痢や軟便が続く場合は、様子を見て適宜、脂質少なめのフードを与えるようにしましょう。
このように食事の栄養管理や調整はとても大切なことなのです。
ウェットフードを与えすぎている
ウェットフードは水分含有量が多いため、取りすぎると水分を多量に摂取してしまうことになります。
生きていく上で適度な水分摂取は必要ですが、摂取量が多いと下痢を起こしやすくなるため注意が必要です。
健康な猫であればウェットフードを摂取しても腸内で水分コントロールができますが、高齢猫はそのようなコントロールも難しくなっています。
そのため、若い時と同様のフードでは下痢を起こしてしまうことが多くなるのです。また、ウェットフードは水分が多い分、腐りやすいという難点があります。
気付かずに腐ったフードを摂取してしまえばお腹を壊してしまいます。摂取するときは十分注意しなければなりません。
猫に適したフードがある
種類が豊富である分選択に迷うと思う方もいるかもしれませんが、消化機能のサポート用フードとして販売しているものも多いため、素人でも確認しやすいです。
フードのなかには腸内環境を整えるものやお腹に優しいものもたくさんあります。
また、それらのサポートフードは白身魚や栄養豊富なサーモンなどを主材料とするものも多く、猫の好物であるものがほとんどです。
そのため、どんな猫も比較的好んで食べてくれることが多いです。また、全体的に栄養価が高く腸内環境を整えるプロバイオティクスを配合しているフードもあります。
このような健康に特化したフードは豊富にありますから、高齢猫の体質にあったフードも見つかるはずです。
健康に良いフードを食べれば消化不良を改善し、より消化力を上げることも可能です。安全で健康的な食事をするなら、飼い主がきちんとフードを選択して与えることが大切です。
フードの選び方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
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